インプラント治療は最近おこなわれるようになった治療法といったイメージをもたれる人も多いですが、実は歴史は古く、記録によると紀元前にはすでにおこなわれた形跡があるという記述があります。もちろん治療としては未成熟でしたが、インプラントの発想は当時からあったということです。現在に通じるインプラントは19世紀初頭に登場しましたが、材料として貴金属を使用していたため、うまくいかず、一般的に普及することはありませんでした。その後もいろいろな材料をためしていましたが、生体適合性に合うものが見つからず、やはり治療として広まることはありませんでした。
その後、1950年代にスウェーデンのブローネマルク博士がチタンと骨が結合することを発見し、1965年にはチタン製スクリュータイプの近代インプラントが歯科医療に臨床応用されたと報告されました。その後世界的に承認、使用されるようになりました。日本では1983年に治療が始まっています。インプラントは確実に治療が成功すれば大変メリットの大きい治療法です。
快適性、利便性、審美性に優れているので、それらが気になる人は選択肢のひとつとして視野に入れられます。ただし、メリットだけでなく、デメリットにも十分考慮する必要があります。医師の話を聞くだけでなく、患者自身が治療について調べ、メリット、デメリット、どんなリスクがあるのかについて十分知った上で、治療を受けるか選択するべきです。